2024年03月04日

電気設備の法定点検は3年に1回が可能!条件などを解説!

電気設備の法定点検は3年に1回が可能!条件などを解説!

電気設備の法定点検とは、事業場の保安管理業務を外部委託する場合に定められている点検で、「設備を停止状態にして行う点検」です。停電年次点検ともいわれています。停電年次点検は本来、1年に1回以上行う必要があります。

点検の際は一度電気を全て止めて点検する必要があるため、事業内容によっては支障を伴う点検です。
しかし停電年次点検は一定の条件を満たすと、3年に1回以上の点検で済むようになるのです。

今回は電気設備の法定点検である「停電年次点検」が3年に1回以上になる条件と、他に必要な点検について解説していきます。参考にしてください。

停電年次点検が3年に1回でよくなる条件とは?

毎年1回事業所全体の電気を止めて行われる停電年次点検は、業務に支障がないように、早朝や休日に日時設定をする事業者も多く、苦労を伴う点検です。

しかしある条件を満たすと、停電を伴う点検は3年に1回で済み、その間の2年間は無停電点検で済むようになります。

その条件は以下の通りです。

1.事業場が以下(1)から(4)までの設備条件全てに適合するもの

(1)柱の上に設置してある高圧変圧器がないもの
(2)高圧負荷開閉器に可燃性絶縁油を使用していないもの
(3)地絡遮断器が設置されているもの
(4)主遮断器用開閉状態表示変成器及び、主遮断器操作用変成器以外の変成器がないもの。

2.事業場が上記(2)について、以下のいずれかに適合するもの

【地絡保護継電器付き高圧交流負荷開閉器を設置する事業場】

製造年月から15年経過していない、その他のものは10年を経過していないこと。また高圧架空引込線から供給を受けるものは、避雷器が内蔵またはこれに近接する箇所に設置されていること。

【地絡遮断器を設置する事業者】

製造または敷設年月から20年経過していない、その他のものは15年を経過していないこと。また高圧架空引込線から供給を受けるものは、避雷器が引き込み口またはこれに近接する箇所に設置されていること。

事業場が年次点検の結果、月次点検、経年的評価の設備状態確認方法などを勘案した結果に基づき、以下の基準に適合するもの

・高温多湿による支障が生じる環境下に設置されていないこと。
・塩害による支障をきたす場所に設置されていないこと。
・設備を構成するそれぞれの機械器具が、リコールや注意喚起の対象となっていないこと
・製造者が推奨する取替期間内または、保安に関する適正な余寿命評価を行ったものであること。

参照:経済産業省

この条件を満たすと、3年に1回の停電年次点検とその間2年の無停電点検で済むようになります。

無停電点検とは

無停電とは言葉の通り、電気を止めず無停電の状態で実施できる年次点検です。無停電点検は、通常の業務を行っている最中でも点検が可能というのが最大のメリットです。しかし通電状態で検査を行うため、機械に触れません。

無停電点検の点検方法は、特殊な測定器を使用して行います。コロナ放電チェッカーという機械を使用してコロナ放電を調べると、絶縁が劣化しているか確認できるのです。また機械の接触不良などによる異常な温度上昇がみられないかを、赤外線放射温度計というもので点検を行います。

実際に無停電点検にて、異常箇所を発見し大事に至る前に防げたという事例もあるようです。本来は、全ての電気を停止して年に1回検査することが望ましいものなのですが、その停電作業で大きな負担がかかる業種もたくさんあります。条件をクリアすれば無停電点検を実施できるので、停電年次点検による負担を大幅に軽減できるようになります。

電気保安点検4つの種類と内容

電気保安点検は、絶縁劣化や電気設備の老朽化によって起こる事故を防ぐために行います。その点検の種類と内容を解説します。

月次点検

月に1回、電気工作物の測定や点検を行う点検が月次点検です。月次点検は業者ではなく作業者自身で行います。異常がみられたら責任者に報告し、プロの点検に来てもらうような流れです。月次点検は任意ではなく義務です。点検のタイミングや内容は、電気工作物の種類により違います。

年次点検

今回の記事で紹介した、停電年次点検のことです。基本的には年に1回、電気を全て止めて停電状態で点検をします。しかし、前述の条件を満たしている場合は、停電点検は3年に1回でよく、その間の2年は無停電点検で済むのです。

臨時点検

名前の通り臨時で行われる点検のことです。機械の状況がおかしいと感じた時などに依頼をし、点検をしてもらいます。

  • 6、7月の梅雨時期
  • 8月の雷雨の多発期
  • 1、2月の降雪期

などにトラブルが発生しやすいようです。事故が起きてからでは遅いので、トラブルの発生しやすい時期が来る前に臨時点検を依頼することも大切です。

電気事故対応

なんらかのトラブルや事故が発生した際に行う点検です。事故が起きることを防ぐために、日頃から点検やメンテナンスが大切です。それでも実際に電気事故が起きてしまうこともあります。事故が発生した時に、早急に助けてくれる業者を見つけておくと安心です。

まとめ

今回の記事では、電気設備の法定点検である、停電年次点検について詳しく解説しました。一定の条件を満たせば3年に1回で済み、その間の2年間は無停電点検で済むことが分かりました。条件には細かい規定があるので注意が必要です。また、電気事故は感電や火災が発生するなど緊急性が高く、非常に危険であるため、事故発生時にいつでも対応してくれる業者を見つけておくとよいでしょう。

千葉県千葉市にあります「株式会社東葉テクノ」は、電気設備工事を行っております。主に一般電気工事(学校・老人ホーム・病院・銀行・マンションなど)やリノベーション工事(改修工事)、受変電設備工事・電気土木工事を手掛けております。電気関係でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。